サンヒャン・ドゥダリ

Sang Hyang Dedari

舞踊名:
サンヒャン・ドゥダリ舞踊
原題:
Tari SangHyang Dedari
種類:
ワリ 舞踊
製作年:
古伝
舞踊創作:
anonymous

バドゥンギアニャールバンリなど多くの地方でウパチャラ デワ ヤドニャにおいて行われているサンヒャン。ドゥダリは天使を意味します。意識のない少女の体に、神が入った状態で行われる奉納舞。

村(共同体)の、まだ成人に達していない少女たちの中から、霊媒としての能力がある者が2人、Pemangku によって選ばれます。 神を迎え入れるのに、まだ純粋である処女を選ぶのですが、まれに媒体としての能力を持った該当者がいない場合、過去にドゥダリを経験した事のある成人女性が行う場合もあります。 選ばれた少女達は、何週間もの間、寺院内に軟禁され、香料の煙を嗅いで詠唱を聞いた時に、催眠状態に入ることができるよう訓練されます。この時、少女達は踊りの練習はしません。一度も踊りを習わなくとも、儀式の際は昏睡状態に陥っているので、神によって体を動かされ、一時的に熟練した踊りを踊ることができるうえ、儀式の間ずっと目を閉じているのに、動きが揃うのだそうです。

寺院内では、真っ白い衣装に身を包まれた少女達が、 香木が焚かれている鉢の前に座り、煙を頭からかぶります。 背後では村の女性達が天女に向け、少女に降りて踊るよう懇願する唄を詠唱しています。 それを聞きながら、次第に踊り手の意識は遠のいていき、 身体が前後に小さく揺れはじめたら、昏睡に入った合図。女性達の詠唱も、先程迄のゆったりしたリズムと変わって、テンポの速い唄にかわります。

天女(Supraba、Tilotama、Tunjung Biru など寺院によって違う) が体内に入った後は、少女達も神格化され、呼び名も変わります。 地面に触れてもならないため、奉納舞舞台などの浄められた場所以外では、村の屈強な男性達によって、肩にのせるか、御輿の上で担ぎ上げられ続けます。

ぐったりとした少女達には、Legong に似た衣装が着せられます。 神聖な gulungan が頭に載せられ、 kipas が渡されると、踊りが始まります。 伴奏は、男性(Cak)や女性の斉唱、ガムラン プレゴンガンなどで、 Dedari は何時間でも踊り続けます。 時々、肩の上に担がれた状態で踊りはじめることもありますが、バランスを崩す事なく上半身を反り返らせたり、驚異的な動きをします。

寺院を離れて、外に出ることもあり、(初めてちび太が先輩Mさんに連れて行ってもらった時は、すんごい距離を出て朝まで歩きまわった。) 村に災いを起こしている leyak にお供えを渡してなだめる為に、村の Dalem Puri 寺院に向かう、あるいは橋や交差路に向かって行列が形成されることもあります。儀式の終了時、詠唱が止まり、少女たちも再度は失神して地面に倒れます。 少女達は司祭によって、聖水で意識を回復させられますが、 目が覚めた時は何も記憶しておらず、昏睡状態の間に踊った踊りも繰り返すことができないそうです。

サンヒャン・レゴン体験記

下の動画は、2013年4月にカランガッセム地方グリアナ・カウー村で行われたサンヒャンです。踊るというより、トランス・メイン。

参考/資料: Team Survey ASTI Akademi Seni Tari Indonesia Denpasar (Yayasan Bali Galang - babadbali.com)