アルジョ歌謡劇

作られたきっかけ

クルンクンの国王であったデウォ・アグン・プトラ・クサンバ（Dewa Agung Putra I Kasamba 1790-1809統治)が戦死した際に、
義父であり、全王であったイ・デウォ・アグン・サクティ（I Dewa Agung Sakti 1760-1790 統治）が
義理の息子と、その妻（夫婦で同時に戦死）のために盛大な火葬儀式を準備しました。
この時、バリ中の王国からそれぞれの芸術が持参されました。
バドゥン王国とギアニャール王国は合同で、
新しい舞踊スタイルの演目を準備し、自国の宮廷楽団と踊り子と共に式典に送りました。
踊り手が、唄いながら対話をする形式のこのスタイルは、 大衆を驚かせ大喜びさせます。 これがアルジョとして知られるようになり、 現在でも大衆芸能として非常に高い人気を持つようになりました。
また、20世紀の終わりごろには男性演者のみのアルジョであるアルジョ・ムアニや アルジョ・プリア も生まれました。

アルジョの発展

次のような流れでアルジョは発展しました。
・アルジョ・ドヨン（初期）
・アルジョ・ガグンタンガン
・アルジョ・グデ（現在よくみられるもの）

使われる題材

アルジョでは、主にジャワの歴史物語マラット（パンジ物語）から題材が取られていますが、
1965年以降はインド叙事詩ラマヤナ物語や、 英雄物語のマハバーラタ大叙事詩を 取り入れるようにもなりました。

その他にもバリの庶民によく知られている悲恋の物語ジャヤプラナ、サンピッ・インタイ、バスール、チュパッ グランタンなどが 好まれて演じられます。

主な配役

Galuh, Desak (Desak Rai/Made Rai), Limbur, Liku, Panasar, Mantri Manis, Mantri Buduhなど

チョンドン（Condong/Inya）：ガルーの侍女、まず最初に出てきます。
ガルー（Galuh）：王女。殆どの物語で主役となります。美女であり、穏やかで優雅で心優しいという王女の典型を演じます。
デサック・ライ（Desak/Desak Rai/Made Rai）：リクゥの侍女。
リクゥ（Liku）：王女。ガルーとは姉妹ですが、正反対の性格をしています。癇癪持ちで、時々ヒステリックに騒ぐので、プトゥリ・ブドゥー（Putri Buduh＝狂った王女）とも呼ばれます。こう書くと悪役の様ですが、実は観客が一番心待ちにしているのが、このリクゥかもしれません。演者によって特徴のある変わった服装や、劇中でのユーモアのある台詞で観客を沸かします。
リンブール（Limbur）：皇后。題材によっては、ガルーの母役。
マントリ・マニス（Mantri Manis）：ハンサムな青年や王子。彼もまた主役扱いで、ガルーと同じく心優しく、勇敢で、賢いキャラクターです。
プンタ・マニス（Punta Manis/Penasar）：マントリ・マニスの侍従。
ウィジル（Wijil/Kartala Manis）：マントリ・マニスの侍従。
マントリ・ブドゥー（Mantri Buduh）：息子や王子といった男性役。マントリ・マニスとは全く反対のキャラクターです。気難しく、粗野で、またリクゥの様にヒステリックな面も持っています。
プンタ・ブドゥー（Punta Buduh/Penasar）：マントリ・ブドゥーの侍従。
ウィジル（Wijil/Kartala Buduh）：マントリ・ブドゥーの侍従。
ブガワン（Begawan）：僧侶、聖職者。

サイト内にある アルジョ歌謡劇 一覧

1. アジ・アムルタ・サンジワニ
2. アルジュナ・タパ
3. アルジョ ガグンタンガン
4. アルジョ グデ
5. アルジョ・ダダップ
6. アルジョ・テルゥ
7. アルジョ・ドヨン
8. アルジョ・プリア
9. アルジョ・ムアニ
10. クトゥムー・リン・タンパクシリン
11. スクレニ・ガディス・バリ
12. レワンタカ・ヤドニャ