福岡のK大学から「バリ舞踊」のワークショップをお願いされた時のこと。
物珍しさもあってか、結構な数のアジアに興味のある学生さんが集まってくれました。
バリの文化と舞踊について簡単に話した後、いよいよレッスン。
時間の都合から(≒私に男性舞踊の基礎がないので)男子学生の方にも女性と同じように腰にサロン布を巻いてもらい、かわいく変身して女性舞踊の体験をしてもらいました。
「足をVの字に開いて、左足だけ半歩前に。重心を右の脚に置いて、ゆっくり下がってください」
「腕を水平に伸ばして、左手のひらを肘と胸の間くらいに置いて。手のひらは正面に向けて~」
「これをアガムと言いま~す。基本の型です。」
などなど、真由美先生 のなんちゃってバリ舞踊ワークショップが始まります。
皆さん、とにかく真剣で、一生けん命!
その反応に嬉しくなって、ついつい熱が入ってきた 真由美先生 が、少し高度な技術である目の動き「スルデット」について説明しようとした時に、それは起こりました。
「皆さんも見たことがあるかもしれません、次のもバリ舞踊の独特の動きです。」
「顔は正面に向けたままで、今、顔の横にある右中指を、流し眼する感じで見てください。できれば、アゴも少し右に動かして」
「はーい、そのまま次の合図に合わせてアゴと目を元に戻します」
「続けて、うなずきながら、地面を見ます」
「うなずくと同時に、股間(こかん)に軽~くシワを寄せてくださ~い!」
・・・・あ
やっちまった・・・・・。
正解は、眉間(みけん)に軽~くシワを寄せてくださ~い! なんですけどね。
日本語、大丈夫なんでしょうか、真由美先生・・・
沽券(こけん)に関わる とか、媚び(こび)を売る とか、記憶のはるか遠~い所にある漢字検定問題みたいな日本語と、混同してしまったようです。 いや、どうやっても混同しないですか・・・
幸いなことに、学生さんたちは、アガムの姿勢をキープしながら、目を横に動かすのに必死で
誰一人として「股間(こかん)?」と突っ込みを入れる人はいませんでした。
いや、突っ込まれたら突っ込まれたで、負けず嫌いの私は「バリ舞踊にはあるんです、ほれ!」とか言って、実演したかもしれないので、ああ、助かった。
1.サイズが合わないグルンガンで踊ると、コメカミから股間にかけてが、ズキズキする。
2.ゴルゴの股間に深いシワが刻まれているのは、バリ舞踊のやりすぎ。
3.バリ舞踊語でチュンダンとは、股間の上に描く模様である。
とにかく、もう、ワークショップとか、先生とか、人格否定されそうな際どい事の依頼は、今後は怖いから慎重に考えて受けないと!!!
って話でした。