このゆるさがたまらない

バリ島では火葬式が人生最大の儀式といわれますが、
費用のほうも人生最高額になりそうな勢いなので、墓に埋めたまま何年も火葬できない。という御家庭も少なくありません。
費用削減と、お手伝いの人々の負担軽減を目的に、数名の故人が合同で儀式を行う事があります。
これを、Ngaben massal(んガベン・マッサル=合同火葬式)といいます。

ここ数年、プリアタン村のバンジャールでは、順番で各地区の合同火葬式を行っています。
2~3年に1回順番が回ってくるその合同火葬式が、
今年は私の住む地区で行われました。

人生最大の儀式で、故人を送り出すのに欠かせない楽器が「アンクルン」
インドネシアでは、竹のアンクルンが有名ですが、
バリ島のアンクルンは、金属製。

初めてアンクルンの音を聞いた時には、え?お葬式という場に似つかわしく無いような、甲高い高音だなぁ。あまり好きじゃないなぁ。という印象だったのですが、
義祖母を送り出す葬儀の際、ああアンクルンはバリ人の心の音なんだなぁ。
と、初めてジーンとする感情が沸きました。

好きではなかった理由が、音階。
これまでに自分が演奏してきたゴン・クビャールやスマール・プグリンガンとは違って
その音に酔いそうになるのです。
音が素敵で酔う。でなく、車に酔うの「酔う」です。(聞きなれた5音階や7音階の曲を4枚の鍵盤で演奏するので、頭の中で追う曲と叩いて出てくる音のギャップで気持ち悪い。)

そんなアンクルン楽器の演奏を、先日の合同火葬式で行いました。
儀式の進行に合わせての演奏が進み、祈りが終わった後に
演奏も終了の合図が出され、緊張が緩んだ最後の曲の時・・・

Embang..atiwa-tiwa mase 2019 br.kalah…

Made Okaさんの投稿 2019年7月4日木曜日

facebookに置かれた動画なため(公開設定です)
そのうち消えるかもしれないので、その前に。

動画で目立っている女性、
組長さんの奥さんなのですが、カメラが向いている時は、わざとフフンフン♪
と演じてるのに、間違えた瞬間の、その慌てた笑顔がメチャ可愛い。
そして、笑いを堪えて曲が終わった時の、あの爆笑。
コンテストのように完璧に演奏するのも大切だけれど、
私は、こういう瞬間があるから、たまらなくガムランの演奏が楽しい。