レゴン舞踊を創りました。の裏話

Legong Sri Padma

この度、旦那様に作曲をお願いして、
私が踊りの振付けをしたレゴン舞踊を完成させました。
めおとレゴンですな。
真面目な解説は、こちら「Legong Sri Padma」で読んでいただくとして、まずは動画をご覧下さい。↑始まって12分以降がレゴン・スリ・パドマ舞踊です

レゴン舞踊は大好きで、何種類も色々なスタイルを学んできましたが
ついに、自分スタイルのレゴン舞踊の創作にこぎつけました。
これも一重に皆様のお陰です!
お知り合いの貴方も、まだ見ぬ貴方も、本当になんか、
みんなありがとう~っ!!!
って叫びたい感じ。

レゴン舞踊を創りました。の裏話

レゴン・スリ・パドマ舞踊・寺院での初奉納
mayumi & Komang Sri : Photo by GiLO

それにしても、こんなに難しいとは想像しておりませんでした。
ものすご~く時間もかかりました。
九州バリ芸術祭の構想を練り始めた頃から、祭のためのオリジナル作品を作りたいと思っていたので、最初に「作りたい」と浮かんだのは、昨年の秋でした。そして日本は今まさに葉桜の季節・・・長かった。

これまで、短いものも含め数種の踊りを作りましたが
コラボが多く、どちらかというとフリー・スタイルで挑めるものでした。
しかし、レゴンは「これダメ」「これ必ず」と言う決め事が多く
それに忠実に従うと、どんどん深い所に落ちていって、悩む悩むぅ。

悩んだ時に、他の新作はどうなってるんだろう?と
DVDや動画サイトで数々のレゴンを見比べ、規則性など探って参考にしようとしたのですが
名前はレゴンで、レゴンの衣装も着てるのに、モダン舞踊と振りが変わらない自称レゴン舞踊が多いこと!
ますます混乱してしまい、仕方ないので古典ばかり延々と見て勉強しました。

レゴン舞踊を創りました。の裏話

レゴン・スリ・パドマ舞踊の衣装は、毎度お馴染み特注した家紋入り

 
曲も踊りも自分達で作るので、ある程度好きな事が出来ると思っていたのですが、半分も出来なかった。やりたかった事があまりにも多すぎました。

  1. 一番長く習っていたタガスのスタイルを重視
    (特に太鼓のフレーズで、譲れない部分があった)
  2. 生徒が踊り手なので要所要所の動きはプリアタン・スタイルに準ずる
    (が、自分が嫌いな「オヨッド」は入れない)
  3. 現代風の派手な動きや、見栄えいいインド舞踊みたいな型は避ける
  4. 聞き溜めてきた「これがレゴンというものだよ」「レゴンは昔こうだったんだよ」を尊重する
  5. 衣装は自分の教室のシンボル「藍色と赤」にする
  6. 日本の曲も使う(昔、日本人に作品コピーされた事があったので、今回は私しか判らない曲も挿入)
  7. 楽器はスマル・プグリンガン演奏にして甘い音色を強調したい
  8. どこの地方の舞踊を掘り起こしたの?と尋ねられるぐらい古典っぽ~く
  9. 伝統に則り、寺院での儀式を執り行っていただく・・・いわゆる神頼みです

 
さあ、こうやって自分の才能の無さを
『神頼み』で補いつつスタートした作品創作、
踊りを創っていく作業は、と~っても楽しかったのですが、
それ以外の事で、眉間のシワが深くなったうえに、
顔中に縦線、横線、ゴルゴ線、いろいろ出来そうな胃ぃキリキリ感を経験しましたよ。

今回、改めてバリで何かをするのは大変だと思ったのは
バリ時間!
これが一番のストレスだったああああ。
5時の練習と連絡すると、キッチリ5時に現れる真面目な方もいます。
しかし一時間後に現れるのがバリ式。
しかし二時間後に現れる輩も多く。
しかし来てからもだべっていて、
結局8時ごろから練習開始になるので、終了が10時。
もっと有効に時間使えんかなぁ・・・
郷に入っては郷に従えと申しますが、このバリ時間だけは未だに慣れる事ができません。

そして本番も色々と起こりました。
バリ人、練習嫌いの本番好きが多いんですよね・・・
練習に来ず、何故か本番には座ってて、違う鍵盤叩いて他の奏者を惑わすとか・・・聞いたこと無い曲を弾くのは、大芸術家でも無理なのに、
普通のおっさん そうでない方はもっと無理ぢゃん?!
ちょっとこれは参りました。

また、私の踊りのクセが伝わってて、同じ動きとタイミングになっているので、生徒達を踊り手に使ったのですが
私が中高生と一緒に踊るの・・・ちょっと企画に問題があったという事実に、初舞台のビデオ見た後、ようやっと気付いたゎ。
生徒は細い子ばかりで、手足の長いバリ人体型。身長150cmの和製おばちゃんの所だけ、アナログ映像をワイドテレビで無理に引き伸ばした風に仕上がっておりました。
170cm超えの長身の子の横に私が立つ構図…あれは避けるべきだった。
それと、本番になると、皆、えっらく張り切るの!
パワフルな動きするし、笑顔ふりまくし、今まで練習で見たことない位置にアガムを降ろす子いるし。
まあ、これは良い意味なんですが。
練習と本番と両方観に来て頂いた先輩に「バリ人、やっぱ本番強いね」って言わせるくらいに、別モードでした。

『神頼み』叶って、本番では、神様に助けられた部分がいっぱいあったと思います。有難や。

レゴン舞踊を創りました。の裏話

レゴン・スリ・パドマ舞踊・寺院での初奉納 2017年4月30日 
全員、教え子なので、私の動きやクセが伝わってます。間違う時も見事に揃ってる。
Photo by GiLO

さてさて、このレゴン舞踊には数曲の日本の曲が入っています。
ガムランで演奏するには、音階が足りなかったり、
演奏のリズムにあったメロディで奏でるには、
そのままでは挿入できなかったりで
クイズに出来るくらい、原曲とはかなり違います。
こんなに変わるなんて、夫の音楽センスに脱帽。
まさかこの優雅な曲に『与作』が入っているとは誰も思うまいさ。
ぜひぜひ御覧下さい~!

 レゴン・スリ・パドマ舞踊(Legong Sri Padma)動画