チャロナランで描かれる物語

物語

クディリ王国にあるギラー村の森の中に、 未亡人のチャロナランと彼女の美しい娘ラトナ ムンガリが住んでいました。
チャロナランは娘がアイルランガの王族と結婚することを 望んでいました。 しかし娘の美しさにもかかわらず、 母の持つ強い黒魔術の能力を恐れて 婚礼を望む王子はひとりも来ませんでした。
腹を立てたチャロナランは、 魔女ドゥルガに供物を捧げて黒魔術を使います。王国を退廃させ、破壊するために手下の 悪魔チュルルックを送り疫病を流行らせました。
アイルランガ国王は疫病の原因を知り 祭司のムプ バラタに介入を嘆願します。
司祭は、チャロナランの魔術の秘密を探る目的で、 彼の息子ブラフラを婿として送ります。
何も知らないチャロナランは、娘の幸せを喜び、 全ての病人を治して、死者も生き返らせました。
しかし、ある日ブラフラは、義母チャロナランの黒魔術が書かれたロンタールを見つけます。 彼はそのロンタールを、父親のもとに運びこみます。 チャロナランはブラフラが別の目的で娘と結婚したことを知り 激怒して、戦いを宣言します。
戦いは激しく、チャロナランは弟子のシシオを参戦させて 戦いますが、最後はムプ バラタがチャロナランを征服します。
チャロナランは死ぬ前に、容赦を求めます。 ムプ バラタは彼女の罪を許し、 そして彼女は天国に入ることを許されます。

しかし、実際のチャロナラン劇では、戦いのシーンで、 善の象徴である聖獣バロンが登場し チャロナランは悪の象徴ランダ(=古代カウィ語で未亡人) と化し、終わりのない戦いを始めます。
他にもいろいろな話があり、 アイルランガ国王が結婚していたのがラトナ ムンガリで、 妻がチャロナランの娘だと知って離婚したがったという説や 、ラトナ ムンガリは、母が殺されるのは解っていたが ロンタールを夫に渡したという説などもよく言われています。